滝沢ハム(栃木市泉川町、滝澤太郎(たきざわたろう)社長)は28日、2023年10~12月期連結決算で計4400万円の特別損失を計上すると発表した。同社のローストビーフ製品について食肉卸大手スターゼン(東京都港区)などが製造方法の特許を侵害されたとして損害賠償などを求めていた訴訟で、知財高裁は27日、滝沢ハムに損害賠償と遅延損害金の支払いを命じた。

 同社は今後、最高裁に上告するか対応を検討するとしている。訴訟の対象となった製法を用いた4商品は既に販売を中止しており、今回の特許に抵触する製品は現在ないという。

 同社によると、特定加熱食肉製品の製造方法に関する特許を持つシンコウフーズ(埼玉県鶴ケ島市)と、同特許の使用許諾を受けているスターゼンは2018年11月に共同で、20年6月にはスターゼンが単独で東京地裁に提訴。いずれも請求棄却され、知財高裁に控訴していた。