表彰を受けた(右から)三好さん、小雪、大吉、石川さん

 異変に気付いたのは愛犬だった-。用水路に落ちてけがをし、動けなくなった70代女性を発見し、救助したとして那珂川消防署は19日、栃木県那珂川町谷田、会社員三好由香(みよしゆか)さん(36)ら2人と飼い犬の2匹に感謝状を贈呈した。

 三好さんと共に表彰を受けたのは父石川朝男(いしかわあさお)さん(61)と柴犬の小雪(こゆき)(雌、2歳)、大吉(だいきち)(雄、1歳)。

 2匹は昨年11月29日夜、三好さんと近所を散歩中に、道路右側の用水路に向かってほえだした。三好さんが先へ進もうとしてリードを引っ張っても動こうとせず、ほえ続けたため、三好さんは道路から約1メートル下の用水路内をのぞきこんだ。懐中電灯で照らすと、座り込む女性を発見。三好さんから連絡を受けた石川さんが現場に駆け付け、女性を引き上げた。その後、三好さんが消防に通報した。

 同署は女性発見の貢献が大きいとして、2匹も表彰対象とした。同署によると、用水路の水深は10センチほど。女性は右の大腿(だいたい)骨を折り、数時間水に漬かっていたため、全身が震える低体温症にもなっていたという。

 吉澤和浩(よしざわかずひろ)署長から2匹の名前が入った感謝状を受け取った三好さんは「表彰はうれしいが、私自身は大したことをしていない。小雪、大吉がお利口さんだった。りりしくなった気がする」と愛犬の手柄を喜んだ。