豚ラーメン

笠井慎介さん

豚ラーメン 笠井慎介さん

 背脂ののった山盛りのもやしを目の前にすると毎度、完食への不安が一瞬よぎる。しかし、食べ始めるとシャキシャキ食感に箸が止まらない。

 胃袋の準備体操が終わる頃、もやしの下から豚骨しょうゆのスープとよく絡んだ太麺が現れる。「これを待っていた」。胃袋の求めに従い、ひたすらすする。ほろほろのチャーシューとニンニクのみじん切りが箸の動きを加速させる。気付くと丼の中は、くたくたになった数本のもやしだけに。最初に抱いた不安は杞憂(きゆう)に終わった。「まだ食べられる」とさえ思えてしまう。

 「うちは食べやすさを追求してるから」と店主の笠井慎介(かさいしんすけ)さん(42)。スープは大量の香味野菜のだしを含み、豚臭さがない。

 「若い人が集まれる飲食店を作りたい」と、笠井さんが経営するレストラン「釜めし笠井」の隣で昨年9月、店を開いた。「学生がにこにこして食べている光景は本当にうれしい」とほほ笑む。

 女性も訪れやすい。他の客の視線を気にせず野菜やニンニクを増量できるよう、テーブル席には盛り付け量を記入する用紙を置いている。このホスピタリティで、満足感はマシマシだ。

 ▼メモ 並(麺300グラム)は1170円。ミニ(200グラム、950円)大(400グラム、1280円)もある▽那須烏山市旭1の8の24▽営業時間 午前11時~午後2時半、午後5~8時半▽火曜定休▽(問)0287・84・0487。