栃木銀行(黒本淳之介(くろもとじゅんのすけ)頭取)が31日発表した2023年4~12月期決算(単体)は、経常収益が6・8%減の298億4300万円、経常利益が35・8%減の29億5100万円、純利益が61・1%減の12億4900万円の減収減益となった。
売上高に当たる業務粗利益は1・2%増の206億3600万円。企業の合併・買収(M&A)などに伴う手数料収入といった役務取引等収益が2億2千万円増えた一方、有価証券利息配当金などが減少し、減収となった。
取引先の小口倒産が増え、不良債権処理費用が約4倍の23億円に膨らんだ。アプリ開発への投資も増えるなどし、本業のもうけを示すコア業務純益(投資信託解約損益を除く)は5・0%減の57億1100万円だった。
23年12月末の預金残高は前年同月末比1・0%増の3兆1568億5700万円、貸出金残高は1・4%減の2兆342億300万円。自己資本比率は23年3月末比0・33ポイント低下の11・26%、不良債権比率は0・05ポイント上昇し2・15%だった。
海外の金利上昇と債券価格の低下による有価証券の評価損は、同9月末の332億円から319億円に縮小した。同行経営企画部は「評価損が今後拡大するリスクは抑えられている。市場の変化を注視し、機動的に縮減を図る」と説明した。