7年ぶりの日本フットボールリーグ(JFL)昇格を果たしたサッカークラブ「栃木シティFC」。主力の1人である田中(たなか)パウロ淳一(じゅんいち)選手(30)が輝くのはピッチ上だけではない。
動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のフォロワー数は20.5万人(2月2日時点)。フォロワーは15~25歳の男性が多く、Jリーガーにも負けず劣らずの人気を集める。

投稿をはじめたのはコロナ禍の2021年3月ごろ。当時所属していたチームで、試合やイベントが開催できない状況が続き、「もっとファンを楽しませたい」と考えたことがきっかけだった。
投稿するのは「サッカーゲームあるある」「監督の反応見ながらプレーしてる奴」など、高度なプレー技術を生かし、さらにオチを付けた内容で、視聴者に“ツッコまれる動画”。幅広い視聴者を得るため、サッカーネタだけでなく表情豊かに焼きマシュマロを食べる動画や愛犬の姿を映した動画なども投稿する。

その中でも、TikTokで今流行の、まるで空中を浮いているかのようにみえるダンス「スリックバック」の解説動画は驚異の842万回再生(2月2日時点)を記録した。

「僕のTikTokを通じてチームやサッカーに興味をもってもらいたい」と多忙な生活の中、撮影は練習後の隙間時間を活用する。チームメートも撮影や企画の立案に協力的だという。
面白おかしく笑いを誘うコンテンツだが「全てはサッカーのため」とパウロ選手。「(TikTokを始める)以前より今の僕を見てくれるファンの目は輝いている」と熱く語った。

「ファンとともにJリーグにのし上がっていく姿を見ていてほしい」。ピッチ上でもTikTokでもパウロ選手の躍進は止まらない。