人気アニメゆかりの地を観光振興や地域活性化に生かすことを目指す「アニメツーリズム協会」(東京都千代田区)は9日、国内外のアニメファンの投票を参考に選んだ「訪れてみたい日本のアニメ聖地88 2024年版」を発表した。87作品と26施設、2イベントについて、作品の舞台の地域など107自治体を聖地とした。
栃木県内からは作品「秒速5センチメートル」で栃木市と、施設「おもちゃのまちバンダイミュージアム」で壬生町が選ばれた。ともに初回の2018年版から7年連続。
「秒速5センチメートル」は2007年劇場公開のアニメで「君の名は。」「天気の子」などを手掛けた新海誠監督の初期の作品。独立した3本の作品からなる連作短編アニメで、転校で離れ離れになった小学校の同級生のその後を、少年を軸に描いた切ないラブストーリー。
栃木市は、中学1年生になった主人公「貴樹」が、転校した小学校の同級生「明里」に会うために、東京から電車を乗り継いで向かうJR岩舟駅が、第1話「桜花抄」のクライマックスの地として登場する。
「秒速5センチメートル」は貴樹の中学校がある東京都世田谷区、貴樹の転校先の鹿児島県種子島も「聖地」に選ばれている。
「おもちゃのまちバンダイミュージアム」は2007年、かつて多くの玩具工場が集積していた、壬生町のおもちゃのまち地区に開館。等身大のガンダムの胸像や、ロンドンおもちゃ模型博物館から引き継いだアンティークのおもちゃなどを展示している。
投票総数は約11万票で、海外からの票が約48%を占めた。例年88作品を選出するが、能登半島地震の被災地に関わる1作品は「地震の影響で保留」(事務局)としている。
2024年版で新たに選出されたのは7作品。「その着せ替え人形(ビスク・ドール)は恋をする」(さいたま市と東京都豊島区)「私に天使が舞い降りた!プレシャス・フレンズ」(埼玉県長瀞町)など。