宇都宮市のとちぎんTT証券のモニターに示された日経平均株価の終値「3万9098円68銭」。約34年ぶりに過去最高を更新し、県内の個人投資家や企業経営者からは歓迎の声が上がった。一方で物価の上昇に賃上げが追いつかず、好景気を実感できずにいる県民は多い。賃金上昇や消費の拡大など、株高による効果が地域経済に波及するかどうか注目される=22日午後3時、同市池上町

 東京株式市場で日経平均株価の終値が史上最高値を付けた22日、株式投資を長年続けてきた県民からは「これまでにない株高だ」と喜びの声が上がった。ただ、足元を見ると物価上昇に賃上げが追い付いておらず、「生活面で恩恵は感じない」という声が相次ぐ。労働団体の幹部は、地域の中小企業に株高効果を波及させる必要性を唱えた。

 「大変うれしいし、ありがたい」。30年以上にわたり株式投資を続けているという宇都宮市、会社員男性(62)は最高値を素直に喜んだ。株価が好調な半導体関連の株を中心に、買い増しを検討しているという。一方で「株価はいつか必ず下落する。時代に乗り遅れないよう、油断せずトレンドを見極めていきたい」と気を引き締めた。