新潟の実家へ帰省し、早めに入浴していたその時、突然激しい横揺れが-。元日の能登半島地震では、想像すらしていないタイミングで震度5弱の揺れに遭遇しました。今回は身をもって怖さを感じた地震について、理解を深めてきました。

 県防災館(中里町)で最大震度7の地震が体験できると聞き、街なかから少し足を伸ばした。地震のほか大風、大雨、煙迷路が体験でき、防災備蓄なども展示されている。

最大で震度7までの揺れが体験できる地震体験室
最大で震度7までの揺れが体験できる地震体験室

 同館は1992年に開館した。個人利用のほか、消防団や小中学校などの各種団体が体験に訪れる。今年に入ってから「子どもに地震を体験させたい」という家族連れの来館が増えているそうだ。

 地震体験室では縦揺れ、横揺れのさまざまなパターンで震度2~7を体験できる。実際に体験すると震度4までは立っていることができたが、それ以上になると何かにつかまらずにはいられない。震度7は経験したことのない揺れで恐怖を感じた。

簡易式トイレの使い方を実演する駒田館長
簡易式トイレの使い方を実演する駒田館長

 能登半島地震でも課題となったトイレ。防災備蓄の一つとして簡易式トイレが展示されていた。便座の上にビニール袋をセットして使用する。使う度に新しい袋に替えるため、清潔に使用できる。ホームセンターなどで購入することが可能だ。駒田文雄(こまたふみお)館長(64)は「地震は決して人ごとではない。防災館での体験が、家や地域で何が必要かを考えるきっかけになれば」と話していた。

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 ではJR線を利用してオリオン通りへ遊びに来た際、東日本大震災クラスの地震が発生したらどのように行動すべきか。市危機管理課に話を聞いた。

避難場所案内図
避難場所であることを示す中央小の表示

 繁華街は落下物の危険がある。まずは頭を守り、揺れが落ち着いたら一時避難場所に移動を開始する。オリオン通りから近いのは中央小と西小の校庭、市役所などだ。街なかには避難場所案内板が約20カ所に設置されているほか、災害時には警察官や消防職員らが誘導する場合もある。その際は指示に従おう。

 ある程度安全が確保できたら、自宅へ帰ろうと考えるはずだ。JR宇都宮駅に徒歩で向かうと列車は運休している可能性が高く、多くの人が駅構内に滞留している。駅での受け入れが限界に達した際は、市がライトキューブ宇都宮などを一時滞在施設として開放することとなる。一夜を明かすのに必要な水やクラッカー、毛布なども配布される。その後は状況に応じて帰宅したり、指定避難所へ移動したりすることになる。

 

 過去の地震では交流サイト(SNS)で悪質なデマが流れた。同課の担当者は「公的機関などの正確な情報をつかんで、冷静に行動してほしい」と呼びかけた。

 災害は突然襲ってくるからこそ体験し、備え、行動をイメージすることが重要だ。3月2日には県防災館で「防災フェスティバル」が開かれる。この機会に家族で出かけてみては。