相撲の世界ジュニア選手権個人中量級元王者で近大相撲部4年の三田大生(みたたいき)(22)=黒羽高出=が大相撲の二子山部屋に入門することが決まり、5日、大阪府東大阪市の同大で二子山親方(元大関・雅山)らが出席して会見が開かれた。三田は「早く一人前の力士になって、支えて下さった方に恩返しができるよう頑張る」と力強く抱負を述べた。
三田は大田原市出身。5歳で相撲を始め「おおたわら修志館」に通った市野沢小時代に関東大会で優勝。若草中から黒羽高に進み、1年生で全国高校選抜個人80キロ級を制した。2年時に世界ジュニア選手権に初出場し軽量級3位。3年時には同大会中量級で世界一の称号を手にした。
高校入学時の体重は60キロほど。休み時間ごとにおにぎりを食べるなどして増量に努め、卒業する頃には100キロを超えた。相撲の名門・近大に進学後は西日本学生選手権などで優勝し、本年度は主将として全国学生選手権で同大13年ぶりの優勝に貢献した。
現在は173センチ、120キロ。力士としては小柄だが抜群のスピードに力強さを兼ね備え、押し出しや肩すかしを得意とする。憧れの力士には、自身と同様に出足の鋭さを武器とする元関脇・若隆景を挙げた。
角界入りを決断したのはこの冬で「4年生になって結果も出るようになり挑戦したいと思った」と理由を説明する。部屋には4人の本県出身力士がおり、生田目(なばため)=さくら市出身、幕下西5枚目=は小学校時代の同級生。「栃木出身の力士の中で自分が一番上に立てるように」と話し、互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら精進することを誓った。
昨年12月の取組中に左膝前十字靱帯(じんたい)断裂などの大けがを負い1月に手術。幕下付け出しデビューとなる見通しだが、現在はリハビリ中で時期は未定だ。二子山親方は「彼ならではの絶対的な感覚は大きな魅力。相手を翻弄(ほんろう)する素晴らしい動きをする」とその実力を高く評価し、復帰は焦らせない方針。「9、11月ごろ(のデビュー)に向けてじっくりやってほしい」と期待を込めた。
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