海鮮丼

鈴木一樹さん

海鮮丼 鈴木一樹さん

 板場を囲うカウンター席に座り、ランチ限定の海鮮丼を注文する。魚のサクを切る大将鈴木一樹(すずきかずき)さん(51)の包丁さばきを眺めながら、ぐっと食欲をこらえてお茶をすする。マグロにホタテ、サーモン…。14、15種類の具材が次々に載せられ、丼が彩られていく。

 色鮮やかで立体的に盛られた海鮮丼。ためらいながらも、わさびしょうゆを1周回して一口食べると、海鮮のうまみが広がり思わず笑みがこぼれる。

 仕入れる魚は「時季を見極め、必ず見て触って自分で選ぶ」というこだわりようだ。

 酢飯は市産「なすひかり」を、コクのある赤酢と優しい味わいがある京都府の「千鳥酢」で仕上げている。

 父の故輝美(てるみ)さんが1972年に店を構えた。鈴木さんは21歳から働き始め、父の背中を見て学んだ。「光り物の締め方も玉子の焼き方も、おやじのやり方」と語る。

 「息子が店を継ぐと言ってくれている。3代目にしっかりと店を残せるように今を頑張りたい」と力を込める。「大田原の為(ため)になるお店にしたい」。先代が店名に込めた思いは、世代を超えて受け継がれていく。

 ▼メモ 海鮮丼はみそ汁、小鉢付きで1650円(ランチ限定)▽大田原市城山1丁目3の18▽営業時間 午前11時~午後2時、午後5時~10時(いずれもラストオーダーは30分前)▽定休日 日曜▽(問)0287・22・5868。