栃木県教委は25日、教員3人の懲戒処分を発表した。マッチングアプリで知り合った男性から現金などを脅し取ったとして県南の公立小学校に勤務する講師(33)と、女子中学生にみだらな行為をしたとして公立中学校の50代男性教諭を懲戒免職にした。検定試験問題の一部を生徒に漏えいした県西の県立高男性教諭(48)は停職2カ月の処分とした。県教委の処分は本年度計9件に上っている。
県教委によると、講師は昨年11月、女性になりすましてマッチングアプリを利用。知り合った男性から現金計22万円とポケモンカード1枚(12万円相当)を、同12月には別の男性から現金12万2千円を脅し取った。同月、県警に恐喝の疑いで逮捕され、その後起訴された。
小学校に非常勤で月1回程度勤務する一方、本業として栃木市内で飲食店を経営していた。県教委の聞き取りに対し、「店の赤字が増え、それを補塡(ほてん)するためにやった」と話したという。
中学校の50代男性教諭は勤務先の学校で部活動を通じて女子生徒と関わりを持ち、2022年9月、自家用車内でみだらな行為に及んだ。児童福祉法違反容疑などで逮捕され、起訴されている。同年夏以降、交流サイト(SNS)で連絡を取り合うようになり「好意を持った」という。
県教委は被害者に配慮するとして教諭の氏名などを明らかにしていない。監督責任を問い、校長も戒告処分とした。
わいせつ行為による懲戒処分が相次いでいることを受け、県教委は教職員懲戒処分の基準に生徒とSNSでの私的やりとりを禁じる事項を明記し、4月上旬に公表する方針。
検定試験問題を漏えいした県立高男性教諭は昨年12月、試験日の前日に問題の一部をコピーし生徒に配布。「合格率を上げたかった」と話しているという。
阿久澤真理(あくさわしんり)教育長は「再発防止に向けた取り組みに全力を尽くしたい」とコメントした。
残り:約 14文字/全文:829文字