【栃木】栃木労働基準監督署管内で2023年に発生した労働災害の死傷者(休業4日以上)は、前年比96人(16%)増の701人となり、01年以降の最多を更新したことが8日までに、同署のまとめで分かった。同署は新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う仕事量増加や人手不足、労災防止活動と安全意識の低下などが要因とみている。
同署の管内は栃木、小山、佐野、下野、壬生、野木の4市2町。昨年公表した確定値までは新型コロナ感染関連の死傷者を含めていたが、今年から除いて公表することとした。
23年死傷者は、管内の主力産業の製造業が41人増の216人を占めた。医療保健業や社会福祉施設、小売業など労働人口が多い第3次産業も38人増の312人と全体を押し上げた。死者は3人増の7人に上った。
大島充(おおしまみつる)署長は「危機的状況。管内事情にコロナ禍などがもたらした何らかの変容がある」と指摘している。これまでの年間死傷者の目標は500人以下だったが、24年は605人以下に設定した。
3月25日には市内で、労災防止団体代表者ら約20人を集めて連絡会議を開催し、昨年から始めた労災防止運動「『S+S(持続可能な安全作業)』推進運動」について確認した。