男子400メートル個人メドレーでパリ五輪代表に決まった松下。萩野さんの背中を追って成長を遂げた=3月、東京アクアティクスセンター

 「オリンピックに行きます」。地元の宇都宮南高校入学時、将来の目標を書きつづった松下。小学生の時から全国でその名が知られ、陽南中時代は同世代の頂点に君臨。この時すでに意識は世界へと向いていた。

 それからの成長曲線は右肩上がり。21年夏、初めて挑んだ全国高校総体は男子200メートル個人メドレーで準優勝。体格的に見劣る1年生ながら才能の片りんを見せた。「将来日本の競泳界を引っ張る存在となるのは間違いない」。同高水泳部の鈴木義孝(すずきよしたか)監督は当時受けた衝撃を振り返る。