五輪代表決定後に取材に応じる松下。1年前を「どん底だった」と振り返る=3月、東京都北区西が丘3丁目

 3月に行われた競泳のパリ五輪代表選考会。花形の男子400メートル個人メドレーで優勝候補最右翼の瀬戸大也(せとだいや)(CHARIS)を破り、18歳の松下知之(まつしたともゆき)(東洋大)は一躍脚光を浴びた。急成長の要因は不断の努力と並外れた向上心。五輪を意識し始めた10代から、欠かさず続けてきたレースの振り返りが土台となった。

 自宅までの帰路、両親が運転する車内では必ず自身のレース映像を見直してきた。「小学生からできる子はなかなかいない」。研究熱心な姿勢にスウィン宇都宮の永松康一(ながまつこういち)コーチも感心する。