レース後に力強く拳を握る松下。挫折を糧に五輪出場の夢を現実にした=3月、東京アクアティクスセンター

 失意に終わった昨年4月の日本選手権。松下知之(まつしたともゆき)(東洋大)を水泳人生の「どん底」から救ったのは周囲の支えだった。

 「これが本番(五輪予選)じゃなくて良かったね」。普段と変わらず、本音で接してくれる友人の言葉はありがたかった。父の尚之(ひさゆき)さんも「本当に仲間に恵まれたんです」と実感を込める。