上品な脂の乗った中トロに続いて、風味豊かなそばをすすると、満足感が膨らんでいく。「特選寿司(すし)ランチ」(1496円)は、地域で長年愛される店のこだわりが詰まった膳の一つだ。
自慢のそばは、石臼でひいた3種類のそば粉をブレンド。粗びき粉を含めることで、そば本来の香りに加え、粒状の食感とのどごしの良さを楽しむことができる。すしネタも長年のパイプを生かし、毎日市場から厳選した魚を仕入れているという。
店はオーナーの高久光男(たかくみつお)さん(71)が22歳の時、父の故喜三郎(きさぶろう)さんと始めた。「人の口に入れるものだから衛生管理が第一」と基本をおろそかにせず、そば粉や米、野菜など地元産の食材を大切にしてきた。
うどん、海鮮、揚げ物と幅広い品書きがそろう。3月からは見た目も華やかな新メニュー「旬彩せいろ」(1518円)を始めた。広い座敷があり、法事から祝い事まで周辺住民が集う食事処の一つだ。
6月で開店50周年を迎える。「地域や関係者に支えられ、助けられここまで歩んで来ることができた」と感謝する高久さん。節目のイベントを計画しているという。
▼メモ 栃木市千塚町297。午前11時~午後9時(ランチは平日と土曜の午後2時半まで)。火曜定休。(問)0282・31・2376。