那須町高久乙の「那須サファリパーク」で2022年1月、飼育員3人がトラに襲われ負傷した事故で、大田原簡裁は15日までに、業務上過失傷害罪で略式起訴された元飼育員男性=起訴当時(26)=に罰金50万円の略式命令を出した。また労働安全衛生法違反罪で略式起訴された園の運営会社「東北サファリパーク」(福島県二本松市)に罰金50万円、現場責任者の男性支配人=同(49)=に罰金30万円の略式命令を出した。8日付。

 起訴状などによると、元飼育員男性はベンガルトラ「ボルタ」をアニマル通路から獣舎に収容せず、通路に残したまま終業し22年1月5日午前8時20分ごろ、飼育員女性や助けようとした計3人がボルタに襲われ重傷を負わせた、としている。また同社と男性支配人は同日、園の従業員に、業務での事故時の応急処置や避難に関する教育を行わなかった、などとしている。

 県警は23年5月、業務上過失傷害容疑で元飼育員男性ら6人を書類送検した。大田原区検は24年3月、元飼育員男性を略式起訴。他の5人は不起訴となった。大田原労働基準監督署は23年5月、労働安全衛生法違反容疑で同社と男性支配人を書類送検していた。