無免許で飲酒運転の車にはねられ一人息子を失った女性が、悪質交通犯罪の厳罰化のために闘った実話に基づく映画「0(ゼロ)からの風」が21日、宇都宮市南図書館で上映された。被害者支援センターとちぎによるパネル展も行われ、訪れた人々は理不尽に命を奪われた被害者の無念や遺族の苦悩に思いを巡らせた。
上映会は同図書館の主催。約130人が鑑賞した。映画は大学生の息子を失った神奈川県内の女性をモデルにした。栃木県の遺族らも参加して悪質運転の罰則強化を求める署名活動を展開、37万人分の署名を国会に提出。「危険運転致死傷罪」の新設につながった。
鑑賞した宇都宮市、犬塚悦子(いぬづかえつこ)さん(76)は「息子と同じ被害者を出さないため、行動した母の姿に胸を打たれた」と話した。
パネル展では、事故や事件の犠牲となった本県の4人に関する新聞記事や写真を展示。上映会を担当した同図書館の森嶋礼奈(もりしまれな)さん(50)は「悲惨な事故が一件でも減ってほしいし、加害者にならないよう自分自身も気を付けたい」と語った。