【那須烏山】子育て中の市内の父親5人でつくる任意団体「なすから子結び団」が市内の公園などで定期的に開催しているイベントが好評だ。ベーゴマなど昔懐かしい遊びを子どもたちが楽しんだ3月の企画では、団体の想定を上回る約200人が来場。少子高齢化が著しい市で団体の活動が多世代交流を生んでいるとあり、地元住民からの注目が高まっている。
団体結成のきっかけは、あらゆる活動に制限がかかった新型コロナウイルス禍だった。代表の初音、会社役員平野達朗(ひらのたつろう)さん(41)や副代表の旭1丁目、自営業大橋誠(おおはしまこと)さん(43)の子どもが通う幼稚園も例外ではなく、運動会やお泊まり保育が軒並み中止になった。
「子どもたちが成長する機会を自分たちでなんとかつくろう」と2020年9月、親子でまちなかを巡るイベントを初めて開催。その後も、公園の落ち葉でアートを作ったり、段ボールで作ったそりで遊んだりする企画を年に3、4回のペースで行ってきた。
直近では今年3月、市街地の清水川せせらぎ公園でパン食い競走やグラウンドゴルフなどを楽しむイベントを開催。ベーゴマ遊びでは、地元の高齢者が子どもたちに回し方を教える光景が見られた。イベントに協賛した市都市建設課の担当者は団体について、「幅広い世代の公園活用を考えている市として、見本となる企画をしてくれてありがたい存在」と話す。
普段から団体と連携して自治会活動に取り組む日野町自治会の宇井良介(ういりょうすけ)会長(64)は「日野町以外の地区からも子結び団は子どもたちを呼べる。ともに活動することで、高齢者の楽しみである多世代交流が生まれている」と謝意を示す。
平野さんは「地域社会に小さいながらも価値を提供できている手応えがある。無理することなく、メンバーも楽しみながら続けていきたい」と話した。