【宇都宮】宇都宮労働基準監督署はこのほど、市内で「労働災害防止団体長会議」を開いた。管内での労災死傷者が600人を超え、高止まりの状態にあることから各業界の労災防止団体に対策強化を呼びかけた。
同署は宇都宮、さくら、那須烏山、高根沢、那珂川の3市2町を管轄。建設業や貨物運送、食料品製造業などのほか、工業団地の代表者が参加し、本年度の対策について確認した。
同署によると、管内の労災は昨年、休業4日以上の死傷者数が601人、うち死亡者は前年比2人増の6人。死亡者の内訳は転倒2人、交通事故2人、熱中症1人、機械による挟まれ1人だった。
死傷者数は1998年に600人を下回り、20年ほど500人前後で推移してきたが、再び増加に転じてここ3年間は600人を超えている。特に食料品製造業での労災が多く、筋力の低下などを背景とした50歳以上の女性による転倒災害が目立つという。
このため、同署管内では本年度、死亡者ゼロと死傷者数600人未満の目標を掲げ、食料品製造業を重点業種として安全強化対策を図っていくとし、各団体に協力を求めた。
野沢卓也(のざわたくや)署長は「労災防止は経営トップが決意と行動を示すこと。各社への指導に協力いただきたい」と話した。