(左から)宇商の山崎、白鴎足利の昆野

最速150キロの直球を武器に勝負する白鴎足利のエース昆野

県大会5試合に登板し、チームを34年ぶりの決勝に導いた宇商のエース山崎

(左から)宇商の山崎、白鴎足利の昆野 最速150キロの直球を武器に勝負する白鴎足利のエース昆野 県大会5試合に登板し、チームを34年ぶりの決勝に導いた宇商のエース山崎

 第76回春季関東地区高校野球大会は18日、群馬県で開幕し、1都7県の各予選を勝ち抜いた17校が熱戦を繰り広げる。栃木県勢は県大会優勝の白鴎大足利(7年ぶり9度目)と準優勝の宇都宮商(32年ぶり9度目)が出場。白鴎大足利は同日午後3時半から前橋市の上毛新聞敷島球場で前橋商(群馬2位)と、宇都宮商は19日午後0時半から同球場で今春のセンバツ王者高崎健康福祉大高崎(群馬1位)と激突する。関東の精鋭に挑む両校の戦いぶりを展望する。

◆白鴎足利・上位打線 好機演出が鍵

 県大会の白鴎大足利は投手陣が遺憾なく実力を発揮。チーム防御率0・84と抜群の安定感で7年ぶりの頂点に立った。

 中でも主戦右腕の昆野太晴(こんのたいせい)は最速150キロの直球を軸に準々決勝、準決勝で計17回1失点と貫禄の内容。2番手の山口幸大(やまぐちこうだい)もチーム最多の21回に登板し、決勝でも先発を任されるなど信頼は厚い。この2人で試合をつくりたい。

 打線は上位が好調を維持。打率は軒並み3割を超え、6番小野寺応助(おのでらおうすけ)は3回戦からの5試合で16打数9安打5打点、打率5割6分3厘と突出する。前の打者が好機をつくれるかがポイントになりそうだ。

 初戦の前橋商はプロ注目で身長192センチの右腕清水大暉(しみずだいき)が先発するとみられ、角度のある球をいかに攻略するかが勝負の鍵を握る。打線も主砲米山泰成(よねやまたいせい)ら、昨夏の甲子園を経験したメンバーを中心に切れ目がない。

 互いに好投手を擁する両チームだけに、白鴎大足利は隙を見せずに粘り強く守り、好機をしっかりと生かしたい。

◆宇商・主戦山崎、緩急で主導権を

 宇都宮商が関東切符を手にするのは32年ぶり。その原動力となったのは主戦山崎翔大(やまざきしょうた)だ。

 県大会で直球は130キロ台中盤の球速ながら変化球を織り交ぜ、緩急を巧みに使って打者を手玉に取った。2回戦からの6試合中5試合に登板し、うち3試合で完投。41回1/3で防御率は1・31をマークし、スタミナとともに安定感が光る。

 打線はパンチ力のある3番鈴木陽翔(すずきはると)、4番野中玲臣(のなかれお)ら中軸が勝負強い。打率5割と絶好調の浅見碧人(あさみあおと)、7安打4打点の大栗嘉威人(おおぐりかいと)の1、2番コンビでチャンスメークし、流れを呼び込みたい。

 初戦の相手は今春のセンバツを制した高崎健康福祉大高崎。群馬県大会は甲子園で登板機会がなかった8投手で全5試合を戦い、投手陣の層の厚さは群を抜く。打線も持ち味の走塁に加え5番森山竜之輔(もりやまりゅうのすけ)が打率4割2分9厘と好調。走攻守に隙が見当たらない。

 宇都宮商が戦力充実の王者を倒すには、山崎の好投が間違いなく鍵となる。