東京都渋谷区の民間事業者が提供するインターネットのレンタルサーバーを巡り、ウェブサイトのトップページに違約金について表示しないのは違法だとして、国が認定した適格消費者団体「NPO法人とちぎ消費者リンク」は20日、事業者にサイト表示の差し止めなどを求める訴訟を宇都宮地裁へ起こした。同団体は消費者契約法などに絡み、消費者に代わり事業者の不当行為への差し止め請求権を持っており、同団体による提訴は初めて。
訴状などによると、事業者はウェブサイトのトップページに、通常約10万円の初期費用を0円とし、月額9800円でレンタルサーバーを利用できると表示。しかし違約金が発生する1年間の最低利用期間については記載していなかった、としている。
同団体は「一般消費者が誤認してしまう表示で景品表示法に違反する」と指摘している。同団体は消費生活センターなどを通じて、副業で広告収入を得ようとした県内外の個人の被害を把握した。2023年6月以降、事業者に是正を申し入れたが受け入れてもらえず、提訴した。
同団体の阿部健一(あべけんいち)弁護士は「被害は各地に広がり、悪質で無視できない。将来の被害者を生まないために活動を続けたい」と話した。