仲山署長(右)から感謝状を受け取った(左から)君島さん、人見さん、永嶋さん

 【大田原】特殊詐欺被害を未然に防いだとして、大田原署はこのほど、大田原郵便局員の永嶋慎二(ながしましんじ)さん(51)と大田原住吉郵便局員の君島俊一(きみじましゅんいち)さん(60)、同人見澪(ひとみれい)さん(27)に感謝状を贈った。3人は4月18日、それぞれの郵便局を訪れた高齢者4人の還付金詐欺の被害防止に貢献した。

 大田原郵便局の永嶋さんは、午後4時半~5時半の間に来局した3人の被害を防いだ。電話をしながら現金自動預け払い機(ATM)の操作をしていた70代男性には、電話口を代わるなどして対応。詐欺の可能性を理解してもらうまで丁寧に説明した。永嶋さんは消防団員を務める経験から「犯罪や火災の注意喚起で高齢者宅を訪問した際、心細さを抱く人が多いと感じる。今後も被害を防げるよう業務に取り組みたい」と決意を新たにした。

 大田原住吉郵便局の君島さんと人見さんは、電話をしながらATMを操作する90代女性に対応。声を掛けると「高額医療費の還付金があると言われた」と話したことから、2人で詐欺の可能性を説明し、警察に通報した。

 君島さんは「お客さまは400万円以上振り込もうとしていた。財産を守れて良かった」、人見さんは「典型的な詐欺だが、引っかかってしまう人はいる。止められて良かった」と、それぞれ話した。仲山博隆(なかやまひろたか)署長は「適切な対応で被害を防止していただいた」とたたえた。