連載中の「ひまわり」は6月8日で最終回となります。9日からは大沢在昌(おおさわありまさ)さんの「柩(ひつぎ)の狩人」が始まります。ベテランの切れ者刑事と探偵がタッグを組み、新宿で起きた老朽ビル崩落事故の死者の謎に迫るミステリーです。
大沢さんは1956年、愛知県生まれ。慶応大中退。79年、「感傷の街角」で小説推理新人賞を受賞し作家デビュー。91年、「新宿鮫」で吉川英治(よしかわえいじ)文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門を受賞。また94年に「無間人形 新宿鮫4」で直木賞、2014年は「海と月の迷路」で吉川英治文学賞に選ばれるなど受賞作が多数あります。22年には紫綬褒章を受章しました。
挿絵を担当する河野治彦(こうのはるひこ)さんは1955年、青森県生まれ。東海学園高卒。81年、大沢さんの「ダブルトラップ」で挿絵を担当して以来、大沢さんらの作品を中心に、単行本の装丁や挿画、雑誌の挿絵を多数描いています。
■作家の言葉
佐江(さえ)刑事を狂言回しに据えた「狩人シリーズ」も6作目となりました。過去作を読まれていなくても楽しめる作品にするつもりです。タイトルでいつも悩む私ですが、今作は連載をスタートする前から「柩の狩人」でいくと決まっていました。その理由は、連載をお読みくだされば、明らかになるはずです。
■画家の言葉
「北の狩人」からスタートしたこのシリーズはそれぞれが独立した物語ですが、初期の作品の佐江は脇役でした。ところがシリーズが回を重ねるほど、渋い主人公に描かれてきています。さて今回の佐江はいかに…。