卒寿の節目の個展を開く銅版画家の早乙女さん

 【佐野】元小学校長で銅版画家の早乙女務(そうとめつとむ)さん(90)=植野町=による卒寿を記念した「銅版画展」が31日~6月2日、栃本町の市たぬまふるさと館で開かれる。半世紀以上にわたる創作活動の中、著名な美術展で最高位に輝くなど、数々の実績を残している。早乙女さんは「創作活動の集大成となる個展と考えている。多くの人たちに足を運んで鑑賞していただけたらうれしい」と話している。

 早乙女さんは趣味で版画を収集する中、同年代の芸術家故池田満寿夫(いけだますお)さんの版画に魅了され、銅版画を始めたという。

 作品はメゾチントと呼ばれる技法で光と影、明暗を繊細に描き出しているのが特徴。教室の機材や鳥類のはく製などをモチーフに、静寂感に支配された空間などを巧みに表現した作品が多い。