ニューサンピア栃木のフロント付近に掲示された休業を知らせる看板

 【鹿沼】5月いっぱいでの全館休業を公表していた市内最大規模の宿泊施設「ニューサンピア栃木」(栃窪)は、31日午前10時のチェックアウトをもって営業を終えた。運営する鹿児島市の食品加工卸売業「KB(ケービー)食品」が土地・建物の売却を模索しており、当面の間休業となる。

 30日の晩は常連客や団体利用の高校生ら69人が宿泊。31日朝、埼玉県から毎年10回ほど訪れていた70代女性はチェックアウトを済ませた後、涙を流しながら帰路に就いたという。2000年ごろから勤める井村和彦(いむらかずひこ)総支配人(63)は「仕事ではあったが楽しみながらできた。充実した毎日だった」と振り返る。