裁判員制度の開始から15年となったことに合わせ、制度への理解を深めてもらおうと、宇都宮地裁は3日、実際の法廷を使って模擬裁判を開いた。社会人ら男女計27人が裁判員や傍聴人を体験した。
模擬裁判では書店で現金などが盗まれ、店主が襲われて負傷した架空の強盗致傷事件を審理。被告が無罪を主張する中、被告人質問などを経て、現役の裁判官とともに評議を行った。有罪だと決定できる証拠や証言が乏しいなどとして、結論は「無罪」とした。
裁判員を体験した宇都宮市上戸祭町、会社員坂本里絵(さかもとりえ)さん(46)は「制度の内容はまだまだ浸透していないのではないか。今後、裁判員に選ばれたら自分は参加したいと思う」と話した。裁判長役を務めた大槻友紀(おおつきゆき)裁判官は「裁判員制度では市民の参加が欠かせず、裁判所として負担をかけないように努めていく」と述べた。
同地裁では2月末までに、裁判員に1422人、補充裁判員に488人が選ばれている。