登山用アルミ調理器具シリーズを企画製造する切削部品加工の田村工機(真岡市石島、戸頃宏文(ところひろぶみ)社長)は、本社内に自社商品のショールームをオープンした。従業員8人の“町工場”で下請けの悲哀を感じていたが、オリジナル商品がヒットしたことで状況が一変。発注元に価格交渉に応じてもらえるようにもなった。ショールームを情報交換の場とし、次の新商品開発につなげる考えだ。
同社は1973年創業。切削加工を専門とし、0・01ミリの精度での少量多品種生産を強みにしてきた。技術力の高さに定評はあったが、下請けだったため部品の発注元に価格引き上げを求められる雰囲気ではなかった。
変化が訪れたのは2022年。冬山登山を愛する戸頃智浩(ところともひろ)専務(44)が試行錯誤を繰り返し、極寒地でも350ミリリットルの水を1分35秒で沸騰できるアルミ製調理器具を世に出した。
すると登山ファンの間で「爆速沸騰」などと話題になり、注文が殺到。トヨタ自動車のレクサス担当者からエンブレムを刻印したイベント用品の製作を依頼されたほか、真岡市のふるさと納税返礼品でも人気を集めた。
残り:約 622文字/全文:1121文字
この記事は会員限定記事です
「下野新聞デジタル」の会員のみご覧いただけます。
登録済みの方はこちら
愛読者(併読)・フル(単独)プラン・スタンダードプランの方
ログインする