鹿沼市出身のノンフィクション作家柳田邦男(やなぎだくにお)さん(88)は9日、宇都宮市のとちぎ福祉プラザで開かれた自身のドキュメンタリー番組「生きる力を見つめて」(とちぎテレビ)のユニバーサル上映会&ファン感謝祭に出席した。この日は柳田さんの誕生日で、約300人の来場者が本県を代表する作家の米寿を祝った。
番組はとちぎテレビが開局25周年記念特別事業として制作し、4月に放送した。上映会後の質疑応答が終わると、催しに協力した手話サークル「ジュニアあすか」の小中学生6人がサプライズで壇上に上り、柳田さんを囲んで来場者と「ハッピー・バースデー・トゥー・ユー」を歌った。柳田さんも、子どもたちに教わりながら手話で参加した。
柳田さんは「鹿沼で生まれて良かった」「これからも人と人とが絆をつないでいける場所であってほしい」と古里への思いを語った。
番組は被爆地「ヒロシマ」や1985年の日航機墜落事故、東日本大震災などの取材を通じて人間と命を見つめ続ける柳田さんに密着した。