東京商工リサーチ宇都宮支店が12日までに発表した5月の県内企業倒産整理状況(負債総額1千万円以上)は、倒産件数が前年同月比11件増の20件と倍増し、負債総額も2.7倍の20億3100万円と大幅に増加した。月間倒産件数が20件以上となったのは2015年1月(21件)以来9年4カ月ぶりで、負債総額は2カ月連続で20億円を超えた。

 同支店の担当者は原材料・エネルギー価格の高騰に、コロナ対策で国が実施した実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が重なったことが要因の一つと分析。「特に中小企業や小規模事業所にとって、当面は厳しい経営環境が続く。倒産件数は今後も高水準で推移する可能性がある」と指摘した。

 業種別ではサービス業他が7件と最多。建設業が4件、製造業と卸売業が3件ずつ、運輸業が2件、小売業が1件と続いた。

 負債額は1千万円以上5千万円未満が9件と、小規模の案件が目立った。1億円以上5億円未満が6件、5千万円以上1億円未満が5件。10億円以上の大型倒産は8カ月連続で発生しなかった。

 原因は「販売不振」が17件と8割以上を占めた。「その他(偶発的原因)」が2件、「運転資金の欠乏」が1件と続いた。新型コロナウイルス関連は12件だった。