鹿沼市長選で落選した小林幹夫氏の横で、支援者におわびのあいさつをする五十嵐衆院議員(右)=9日夜、鹿沼市仲町

 9日に投開票された鹿沼市長選は自民党推薦候補が大敗し、関係者からは自民鹿沼支部長を務める五十嵐清(いがらしきよし)衆院議員の指導力不足を指摘する声が出ている。自民の「総力結集」を掲げ臨んだ選挙運動で指揮系統の乱れが目立ったという。次期衆院栃木2区の試金石ともなった市長選。自民派閥の裏金事件が県内地方選挙にも影を落としたとみられるが、五十嵐氏は存在感を示せなかった。自民内からは、早期の立て直しに焦りの声が漏れている。

 「全体を統括する存在が不在だった」。自民県連幹部は市長選の敗因を吐露する。国会議員や地方議員の組織が展開した選挙運動に触れ、「重複する動きも一部にあった。調整する人はいなかったのか」と首をかしげる。