那須赤十字病院で開かれた「ひなたぼっこクインテット」によるミニコンサート

 【大田原】中田原の那須赤十字病院と「がん患者と家族の会ピアサポート那須」はこのほど、同病院2階マイタウンホールで、がん患者らの演奏団による初のミニコンサートを開いた。入院患者や病院職員ら約70人が、練習を重ねてきたメンバーの懸命な演奏を温かく見守った。

 がん患者や家族らが交流する「がんのつどい」の一環。新型コロナウイルス禍で活動が制限された中、新たな生きがいを見いだそうと、自身肺がんを経験している同会の並木邦憲(なみきくにのり)会長(73)が中心となり企画した。

 第1部では、がん経験のあるメンバーらで構成する「ひなたぼっこクインテット」がギターやオカリナ、サックスなどで、滝廉太郎(たきれんたろう)作曲の唱歌「荒城の月」や「花」などを披露。途中で音が出なくなることもあったが、観客は温かく見守り、足でリズムを取ったり体を揺らしたりしながら聞き入っていた。

 第2部は演奏団の講師で元県警音楽隊楽長の吉田秋彦(よしだあきひこ)さん(68)が、クラリネットやサックスで「小雨降る径(みち)」や「川の流れのように」などを演奏した。

 並木会長は「思ったよりも多くの人が集まり、ベッドのまま会場に来てくれた患者さんもいた。喜んでもらえて良かった」と話した。ミニコンサートは12月にも開催する予定。