元祖焼うどん

飯村仁孝さん

元祖焼うどん 飯村仁孝さん

 店主の飯村仁孝(いいむらひとたか)さん(51)の両親が半世紀以上前、日光市上鉢石(はついし)町でオープンしたレストラン「ふじ」の頃からの看板メニューが「元祖焼うどん」。「ふじ」をきっかけに市内の他の飲食店でも焼きうどんが広まったとされる逸品だ。

 「ふじ」はその後、「ロムレット」の店名で旧今市市役所のすぐそばに移転。さらに飯村さんが本格的に跡を継いだ16年前に現在地へ移った。店名も創業当初にちなんで「Kitchen Fuji」に変え、伝統の味を守り続けている。

 熱々の鉄板で提供される焼きうどんは、しょうゆベースの優しい味わい。半熟のゆで卵と熱で溶け出したバターが味にコクと深みを与え、どんどん食が進む。飯村さんが最もこだわっているのが味を引き立てる「ふわふわな食感」。一般的なうどんをそのまま焼くと硬くなってしまうため、特別に水分を調整して最適な食べ心地を実現している。

 今も店名を手がかりに「ふじ」当時を知る高齢のお客が来店することが少なくない。飯村さんは「歴史のある昔の店名を覚えてくれる方が多く本当にうれしい。(店名を)戻したかいがあります」と笑顔で話す。

 ▼メモ 元祖焼うどんは650円▽日光市今市本町28の5▽営業時間 午前11時半~午後2時半(水、金、土曜は午後6時半~8時半も営業)▽定休日 日曜、不定休あり▽(問)0288・22・2263