もり蕎麦

鹿沼産木材をふんだんに使った店内に立つ赤羽根店長

もり蕎麦 鹿沼産木材をふんだんに使った店内に立つ赤羽根店長

 「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」が4月にオープンし、大きな話題を集めた鹿沼市上南摩町。地区伝統の「上南摩そば」を楽しめる唯一のそば店が施設内にある。

 「もり蕎麦(そば)」(780円)は、上南摩そばのうまみや甘みを存分に味わえる。かむほどに香ばしい風味が鼻に抜ける。みずみずしい食感は蒸し暑い時期にはもってこいだ。季節の地場野菜を使った天ぷら「野菜5品盛り合わせ」(560円)とセットで注文するのが定番になりつつある。

 中央を南摩川が流れ、山間のこの地区では、かつて麻の生産が栄え、裏作でそばの生産も盛んだった。地形によりミツバチの授粉の範囲が地区内にとどまり、独自の味が保たれてきた。これまで常時提供する店舗は地区内に無く、各家庭で味わうほか、イベントで振る舞う程度だった。

 自慢のそばを生かして、高齢化の進む地区の振興を図ろうと、地元住民18人が企業組合「上南摩そばネットワーク」をつくり運営。地区産のそばを施設内で製粉し、地元住民が打って提供している。店名は、施設北側にのぞく地区のシンボル・竜蓋山(りゅうがいさん)から取った。

 赤羽根良(あかばねまこと)店長(59)は「地元住民やキャンパー、思川下流域の自治体の人らが楽しめる店を、ずっと続けていきたい」と話す。

 ▼メモ 鹿沼市上南摩町1901、スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ内。午前11時~午後2時(土日祝は3時)。水曜定休。(問)0289・77・7076。