菓子パンの定番の一つであるあんパン。味にうるさいファンも多いだろう。矢板市上伊佐野の「焼きたてパン三桝(みます)」の「こしあんパン」は、もちもちした生地とあっさりした甘さのあんが調和し、2個目でもためらいなく手が出そうだ。
約40年間変わらぬ味。あん作りは、まず全体の7割の「生あん」をステンレス鍋で煮立て、プツプツ…の音がピークに達したら残り3割を足す。砂糖は少なめ、塩少々。完全に混ざり合うまで約30分間、へらでかき混ぜ続ける。
生地のもちもち感は、こねた材料を短い時間で発酵させるストレート法によって生み出される。失敗のリスクがある製法だが、こだわっているという。
こしあんパンは店が同市扇町2丁目にあった1986年、2代目の和気実(わきみのる)さん(74)が3カ月かけて完成させた。協同組合の一員として給食パン作りを始めたため菓子パン作りを中断したが2021年5月、約25年ぶりに復活した。
実さんの妻で、店を運営する協同組合代表理事の静子(しずこ)さん(73)は「あんパンはうちの基本。保存料を使っていないので、日持ちはしないが安心して食べてもらえる」と笑顔で話す。
▼メモ こしあんパン180円▽矢板市上伊佐野9▽営業時間 正午~午後5時半(なくなり次第終了)▽定休日 水、土、日曜▽(問)0287・43・9655。