公開討論会で論戦を交わした(右から)小川氏、浅野氏=11日午後、小山市神鳥谷

 任期満了に伴い14日告示、21日投開票で行われる小山市長選の立候補予定者による公開討論会が11日、小山グランドホテルで開かれた。いずれも無所属で、再選を目指す現職浅野正富(あさのまさとみ)氏(67)と市議の新人小川亘(おがわわたる)氏(56)の2人が出席。浅野氏が進める「田園環境都市のまちづくり」について小川氏が継続を否定するなど、主要政策や行政手法などを巡り論戦を展開した。

 小山青年会議所(JC)が主催し、無観客で実施。コーディネーターはリンカーン・フォーラムの小池秀明(こいけひであき)事務局長(50)が務めた。

 若者の定住促進や雇用機会創出を巡り浅野氏は「人口減などは、市全体では他自治体に比べそれほど深刻ではない。農村部には子育て世代の居住を進めたい」と言及。小川氏は「若者に市内で過ごしてもらえるかが重要。宇都宮のようなコンベンションセンターを整備し、人や企業を呼び雇用を生み出す」と持論を述べた。

 小川氏は「田園環境都市のまちづくりを継続するつもりはない」と断言。「国が進めるデジタル田園都市構想とつなげ、お年寄りも含め暮らしを便利に豊かにする」とした。これに対し浅野氏は渡良瀬遊水地に触れ「コウノトリが選んでくれた環境は宝物。しっかり残すことが市民の使命」と自然環境保全の大切さを訴えた。

 まちづくりの重点施策では小川氏が「結城紬(つむぎ)など文化的なものを複合させ人が集うイベントを拡大する」、浅野氏は「学校と家庭、地域が一体となった子どもの居場所の確保を進める」などとした。

 最後に小川氏は「議員を21年間務め、国や県、全国各地に仲間がいるのが私の強み。市を前に進める」とアピール。浅野氏は「市民参加により、まちづくりが自分事へと変わってきている。市の基礎になる」と実績を誇示した。

 討論会の様子は12日以降にユーチューブの同JCチャンネルで配信する。テレビ小山は12日と15日のいずれも午後7時から再放送。市コミュニティーFM「おーラジ」は13日午後5時から録音放送を行う。