栃木市と小山市、石橋地区消防組合、芳賀地区広域行政事務組合の4消防本部は13日、移転に伴って解体される栃木市平柳町1丁目の旧市消防署庁舎で、初の合同火災対応訓練を実施した。約50人が参加し、煙が充満した建物に進入して放水を行い、現場での安全な活動や隊の連携を確認した。
市消防本部は今月、新たに整備した同所の新庁舎への引っ越しが完了した。隣接していた旧市消防署も集約されており、旧庁舎は16日から解体工事に入る。
近年増えている高気密、高断熱で耐火性能が高い住宅は屋内に進入して消火する必要があることから、鉄筋コンクリート造り3階建ての旧庁舎を解体前に訓練で活用することとした。
各消防本部は各階に分かれ、それぞれの想定で訓練を実施した。約10キロの空気ボンベを背負った小隊員が、発煙筒で視界を悪くした建物内に進入。声を掛け合って一酸化炭素濃度を確認したり、ホースをさばいたりしながら、要救助者の人形を救出し、出火元に見立てた発煙筒へ放水した。
市消防署の長江幸一(ながえこういち)副署長は「これだけ大きな耐火構造の建物で放水できる訓練はなかなかない。栃木以外の消防本部はほぼ初めて入る建物でもあり、身になる訓練となった」と話した。