栃木県は18日、県内48の定点小児科医療機関で把握した「手足口病」の県内患者報告数が直近1週間(7月8~14日)で876人となり、1医療機関当たり平均で18・25人になったと発表した。10週連続で前週を上回り、過去最多だった2019年7月22~28日(1053人、平均21・94人)に次ぐ水準となった。
手足口病は主に乳幼児の手足や口に発疹ができる感染症で、例年夏に流行する。発熱や食欲不振、喉の痛みなどの症状を伴う。
8~14日の報告数は、県央が1カ所当たり23・45人で最も多く、県西20・00人、安足19・14人、県北17・30人、県南16・73人、県東6・75人となっている。
県全体で見ると、4月29日~5月5日は0・17人だったが、以降は増加。6月中旬に県西と県東、安足の3地区で警報基準(1医療機関当たり5人)を超え、7月以降は全6地区で警報レベルが続く。新型コロナウイルス禍の20~21年はほとんど患者がいなかった。
県は手洗いやせきエチケットなど予防対策を呼びかけている。県小児科医会の浅井秀実(あさいひでみ)会長は「重症化する患者はほとんどいない。ただ口内炎が痛くて飲食ができない子は衰弱してしまうことがあるので注意してほしい」としている。