【鹿沼】下茂呂地区恒例の磐裂(いわさく)神社天王祭が14日、6年ぶりに開かれた。地元住民ら約200人による「提灯(ちょうちん)行列」が行われ、雨上がりの宵闇をほのかに照らした。
同地区で100年近く続く伝統行事。家内安全などを願い、茂呂の茂呂公民館から同神社までの約1・7キロを、みこしを先頭にちょうちんを持った氏子らが練り歩く。開催は3年に1度だが、2021年は新型コロナウイルス禍で中止となり、18年以来となった。
当日は、一日中雨が続いたが、出発予定時刻の直前に弱まり開催に至った。地元住民らは7、8個のちょうちんを付けた約2・5メートルのササ竹を掲げて出発。地元住民のおはやしが響く中、農道や歩道を練り歩いた。初めて参加したさつきが丘小2年伊藤杏莉(いとうあんり)さん(7)、夢浬(ゆめり)さん(7)の双子姉妹は「楽しかった」と笑顔を見せた。
氏子の減少や、ちょうちんの価格高騰もあり、運営には苦労も抱える。市田好久(いちだよしひさ)実行委員長(74)は「地域住民をつなぐための大切な行事。無事に開催できて良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。