挫折を乗り越えて挑む2度目の五輪で自己ベストを目標に掲げる水沼=2月、新潟県長岡市

 競泳男子100メートルバタフライでパリ五輪への切符をつかんだ3月の代表選考会の後。日本水連の梅原孝之(うめはらたかゆき)競泳委員長から直々に打診されたのは、競泳日本代表の主将就任だった。

 「非常に名誉なこと。皆の背中を押せるような存在になりたい」。大役を引き受けるまでには、競技人生で初めての挫折といえる苦しい1年があった。