益子の夏のローカルグルメを盛り上げる一軒だ。
ビルマ汁は簡単に言うと「夏野菜たっぷりカレー風味スープ」。店では旬の野菜を用いた7、8月のみ提供する。1杯500円。
手打ちうどんやイノシシ鍋が人気の店にあって、2代目店主榎田大介(えのきだだいすけ)さん(47)が、普及を目指す商工会の活動に賛同し、10年ほど前に提供を始めた。
ミャンマー(旧ビルマ)の料理を参考にしたエビのだしが特徴で、うどんだしと合わせる。野菜は地元のトマト、ナス、インゲン、タマネギ、ジャガイモ、ニンジンを使う。
「特にトマトが味の決め手です」。十分に熟れたものを使い、うまみや酸味を溶け込ませる。カレー感は抑えめで、野菜のおいしさを引き立たせたマイルドな味に仕上げている。
もともと呉服店「もおかや」の故飯塚潤一(いいづかじゅんいち)さんが、太平洋戦争でビルマに出征した際、現地で飲んだスープを再現した家庭料理。地域の各店舗が飯塚さんの家族から味のお墨付きをもらうなどして提供している。
ビルマ汁目当ての観光客も増えていた中、新型コロナウイルス禍でグルメイベントなどが停滞した。「益子の魅力の一つとしてまた発信していきたい」と笑顔を見せる。
▼メモ 益子町益子3270。午前11時~午後9時(ラストオーダー8時)。火曜定休。(問)0285・72・4230。