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予選での水沼応援に力が入る(手前右から)母の典子さん、父の敏明さんら=2日午後6時10分、真岡市台町

 2日夕に行われたパリ五輪競泳男子100メートルバタフライ予選に栃木県真岡市出身の水沼尚輝(みずぬまなおき)(27)が登場し、市内の宴集会場で開かれたパブリックビューイングで市民らが大声援を送った。見事通過を決める水沼の雄姿を見届けると、緊張から解き放たれた安心感に浸り、準決勝、そして決勝の大舞台での活躍を期待した。

 会場には水沼の地元山前地区の住民や「応援する会」のメンバー、水沼の両親、市職員ら100人が集い、スティックバルーンを手にレースを待ちわびた。

 5組ある予選のうち、第3組の終了間際にようやくテレビ放映が始まると一気に盛り上がり、直後の第4組に現れた水沼に全視線が集まった。1分弱のレースを大歓声で後押しし、泳ぎ終わった時点で全体9位。第5組の結果を固唾(かたず)をのんで見守り、予選通過が決まると「いやー、ほっとした」「安心したよ」と誰ともなく喜びを分かち合った。

 真岡東中3年菊池理央(きくちりお)さん(15)は、水沼と同じ山前中出身の母いづみさん(48)と観戦し「すごくドキドキして感動した。真岡市からこんなすごい選手が出てうれしい」と喜びに浸った。水泳を習っている真岡西小6年阿部新(あべあらた)さん(11)は「かっこよかったです。水沼選手のように世界で戦えるよう僕も頑張りたい」と目を輝かせた。

 応援する会は、前回東京五輪の時から支え続けてきた。大島基円(おおしまもとのぶ)会長(68)は「次も必ず頑張ってくれる。ぜひ決勝に進んでほしい」と東京五輪を超える準決勝突破に期待を寄せた。

 レース後、水沼の父敏明(としあき)さん(55)は「皆さんの応援のおかげです」と来場者に頭を下げ、大きな拍手を受けた。「次はさらにエンジンがかかってくる。気負わず自己ベストを目指してほしい」と笑顔を見せ、母典子(のりこ)さん(54)も「本人以上に緊張した。今までの尚輝の努力を信じ次も祈るだけです」と万感の思いを込めた。