4日未明、パリ五輪の競泳男子100メートルバタフライ決勝に出場した水沼尚輝(みずぬまなおき)(27)を、地元の真岡市山前地区の住民らが公民館に集まり、声援で後押しした。競泳日本代表の主将として今大会に臨み、準決勝で敗れた3年前の東京五輪を超える晴れ舞台。「本当によく頑張った」。「たいしたもんだ」。激戦を見届けた住民らは、堂々の世界8位に温かい拍手を送った。
集会は準決勝突破後、急きょ企画された。午前3時。同市公民館山前分館には「応援する会」の市民ら25人が集い、水沼の父敏明(としあき)さん(55)と共にレースを待ちわびた。
間もなく、世界の一流選手たちと並んで水沼が登場した。スタートしプールに飛び込むと、住民たちはスティックバルーンをたたいてヒートアップ。51秒11。ゴールとともに順位が決まると、「よくやった」「たいしたもんだ」とねぎらいの声が湧き上がった。
水沼の母校・同市山前中出身の同市須釜、日下田幸子(ひげたさちこ)さん(74)は「ずっと応援してきて、決勝を見られてもう最高です」と喜んだ。自身も同校出身の大平秀明(おおひらひであき)校長(59)は「後輩の子どもたちも地域の人たちも私も、みんな水沼選手から勇気をもらえて本当にありがたい」と感謝した。
集会を企画した応援する会の大島基円(おおしまもとのぶ)会長(68)は「五輪の決勝で泳いだことは誇りであり、地元の子どもたちの希望」とたたえた。
父敏明さんは「皆さんに応援してもらい、決勝に来られて、おやじとしては感謝の気持ちでいっぱい。もう言葉にならないです」と感無量の様子。水沼はレース後、次のロサンゼルス五輪に言及した。敏明さんは「また全力で支えていきたい」と笑顔を見せた。