【塩谷】任期満了に伴い4日投開票が行われた町長選の投票率は63・74%と過去最低を更新し、前回2020年から12・79ポイント減と下げ幅も過去最大だった。目立った争点がなく、各陣営の組織が高齢者層中心だったことなど複合的な要因が大幅減の背景とみられる。
町長選はいずれも無所属で、現職の見形和久(みかたかずひさ)氏(71)が、前町議の鈴木恵美(すずきえみ)氏(62)、会社役員の増渕岩男(ますぶちいわお)氏(75)を退け、4選を果たした。
町選管によると1965年の町制施行後、町長選は今回で16回目。投票率が95・52%と過去最高だった73年から97年まで90%台を維持したが、2回の無投票を挟んだ2008年は79・79%となり、97年比11・41ポイント低下した。今回はこの年以来の10ポイント超低下となった。
今回は目立った争点が見当たらず、各陣営の組織構成は高齢者層中心。投票率が大幅に低下した要因について、見形氏は「選挙事務所は若い人がほとんどいなかった。若い人の投票率が下がったのではないか」と考察する。
ある陣営幹部は前回選挙で敗れた当時40代の元町議が今回静観した影響に言及。「白票を投じるか、棄権する人もいたのでは」と推察した。別の関係者は、立憲民主党県連代表の福田昭夫(ふくだあきお)衆院議員の後援会塩谷支部が自主投票を決めたため「これまで見形氏支持だった人の中に誰にも投票しないという人がいた」と明かした。