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楢崎の落下に落胆の声を上げるスクール生ら=7日夜、宇都宮市下栗町

 パリ五輪のスポーツクライミング男子複合のリード予選に栃木県宇都宮市出身の楢崎智亜(ならさきともあ)(28)が登場した7日、楢崎がかつて通った同市下栗町の「クライミングジム・ゼロ宇都宮下栗店」では、利用者らがテレビ越しに応援した。楢崎が決勝進出を逃したことが分かると一同に衝撃と落胆が広がったが、大舞台での奮闘ぶりに「お疲れさま」「また頑張って」とねぎらう声が聞かれた。

 序盤に体力を消耗するなどして失敗する選手が相次ぐ中、楢崎の出番を迎えるとテレビの前にキッズスクールの子どもたちが集合。緊張した面持ちで画面を見つめた。最初の難関ポイントで足がホールドを捉え切れずに落下すると、「えー」と動揺の声が上がり、関係者は頭を抱えた。

 楢崎を中学・高校時代に指導した同ジムの小菅雅之(こすげまさゆき)オーナー(54)は「丁寧に行くべきポイントで上半身に意識が集中してしまった。実力を全然出し切れていなかった」と悔やむ。昨年10月、今大会への出場内定後に同市内で動画撮影を手伝い「頑張れよ」と声をかけたという。「やってくれるんじゃないかと期待していた。残念だ」と肩を落とした。

 スクール生の同市石井小6年大澤悠理(おおさわゆうり)さん(12)は「(4位に終わった)東京五輪の雪辱を果たして、金メダルを取ってほしいと応援してきた。また頑張ってほしい」とエールを送った。