男子複合予選 リードの途中で落下した楢崎智亜=パリ郊外(共同)

 よもやの幕切れに表情は硬く険しかった。4位で終わった2021年東京五輪の雪辱を期したスポーツクライミング男子複合の楢崎智亜(ならさきともあ)(宇都宮市出身)は予選10位で決勝進出を逃した。「残念としか言えない」。言葉が続かなかった。

 この日に向けて多くの時間を割き強化してきたリード。「課題のタイプは悪くない」と着実に序盤をクリア。「ここからが勝負」とポイントに挙げた中盤に差し掛かった瞬間、右足がわずかに滑った。