女子板飛び込み準決勝の演技を終え、馬淵崇英コーチ(右)と話す榎本遼香=パリ郊外(共同)

 良い演技に歓声を上げ、ミスをすればそれ以上の温かい拍手で励ます観客がいる。そんな当たり前のことが失われた異例の祭典から3年。最高の雰囲気が戻ってきた会場で、飛び込み女子板飛び込みの榎本遼香(えのもとはるか)(宇都宮市出身、栃木トヨタ)は2大会分の「幸せ」をかみしめながらパリの夏を謳歌(おうか)した。

 「すごく緊張した」との言葉とは裏腹に7日の予選で披露したのは会心の演技。「たくさんの人の前で演技をしたい」。その一心で2度目の五輪の舞台を目指してきた榎本にとって、演技順がトップだったのは運命だったのかもしれない。