個人400メートル予選の苦い敗戦から5日。侍たちは悔しさを力に変え、雪辱のレースを快走した。
陸上男子1600メートルリレー予選で日本が2分59秒48の日本新記録を樹立、全体4位で2004年アテネ五輪以来20年ぶりの決勝進出を決めた。「まずはこの予選でしっかり力を出すことができた」。3走の佐藤風雅(さとうふうが)(作新学院大出、ミズノ)は何度もうなずいた。
自己ベストより1秒以上遅かった個人予選は「ここ数年で一番悪い走り。本当に悔しい思いでいっぱいだった」。この日も不安がなかったわけではない。それでも1走中島佑気(なかじまゆうき)ジョセフ、2走川端魁人(かわばたかいと)の力走で吹っ切れた。
「チームが目指した流れでつないでくれた。開き直って臨めた」と先行する英国との差を詰めて2位で4走佐藤拳太郎(さとうけんたろう)へ。決勝進出が決まると4人で輪になり抱き合った。佐藤風の目には光るものがあった。
快挙の裏には、苦渋の選択と強い覚悟があった。