【矢板】市内のNPO法人「風車」が取り組むフードバンク事業において、需要の高まりなどから食材や日用雑貨の寄付が追いつかない状況に陥っている。中でもコメはストックに余裕がなく、支援の求めに応じ切れていない。同法人はお中元や家に眠っている使わない物品などを「一つでもいいので寄付してほしい」と呼びかけている。
同法人はさまざまな事情で支援を必要としている子育て家庭に対し、寄付された食材や生活雑貨を提供している。市や市社会福祉協議会と連携した月平均約5世帯分と、同法人に直接寄せられた情報を基にした分を合わせ、計約10世帯に物品を渡してきた。
さらに「制服バンク」の利用者らに声をかけたところ、本年度は直接分が大幅に増加。従来分と合わせ昨年度比1.5倍の計約15世帯に提供している。
必要な物品は麺、缶詰、レトルト食品、芋やタマネギなど日持ちする野菜といった食材やティッシュ、洗剤などの日用雑貨。中でもコメはどの家庭も欲するという。昨秋420キロあったコメは6月に底を突き、現在、緊急用の在庫分のみの状況という。
例年なら知己の農家などから追加でコメが寄せられるが、ことしはコメの品薄感が広がっている影響もあってか、反応が鈍い。例年寄付が増える収穫時期までこの状態が続く恐れがあり「深刻な状況」だ。
同法人は週1回開く子ども食堂などでもコメなどを使っており「多ければ多いほどありがたい」とする。
スタッフの江面由江(えづらよしえ)さん(63)=片岡=は「給食がない夏休みは十分に食べられていない子どもがいる。コメをはじめ、缶詰1個でもいいので寄付してほしい」と訴えている。
(問)事務局080・1073・2269。