栃木県警本部

 栃木県内の高速道路や有料道路で、進行方向と逆に走る「逆走」の認知件数は2019年以降の約5年間で計70件に上ることが20日、県警への取材で分かった。うち人身事故は今月15日と16日に東北自動車道で相次いで発生した2件。ガードレールに衝突するなどの物損事故は4件あった。

 東北自動車道、北関東自動車道、日光宇都宮道路の3道路で集計した。19年は22件、20年は13件、21年が12件、22年が10件、23年が8件、24年は今月18日時点で5件だった。

 運転手に認知症の疑いがあると判断したのは13件。インターチェンジ(IC)の標識を見間違えるなどの過失が5件、目的のICを誤って通過してしまい、Uターンするケースが4件などだった。

 ネクスコ東日本では、逆走車を感知すると「逆走戻れ」などと警告を出す表示板を導入。路面に矢印で進行方向を示したり、進入禁止の看板を設置したりして逆走防止の対策を取っている。

 東北自動車道では今月15日、那須塩原市で逆走の軽ワゴン車と乗用車が正面衝突して4人が死傷する事故が発生。翌16日には栃木市で逆走した乗用車とオートバイが衝突した。

 県警は注意を呼びかけるチラシ500部を作成して配布。県警高速隊の佐藤彰規(さとうあきのり)副隊長は「標識や標示をよく確認し、逆走の当事者にならないよう注意してほしい」としている。